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表情こわばる児童…殺処分前の犬舎、響く鳴き声

2012年8月22日17時38分 読売新聞

飼い主に見捨てられ、行き場を失ったペットの犬や猫を殺処分している茨城県動物指導センター(笠間市)が21日、殺処分前の犬が収容されている犬舎の見学会を初めて開催した。


 殺処分数全国最多の汚名返上のために踏み切った施設公開。死の間際にある小さな命は、子供たちの目にどう映ったか――。

 犬の殺処分数は2002年度に1万匹を超えていたが、譲渡会などの実施で年々減少。11年度は3分の1の3334匹になったものの、動物愛護のNPO法人「地球生物会議ALIVE」(東京)によると、10年度まで6年連続全国ワースト1位が続いていた。

 見学会は、県動物愛護推進員の一部メンバーが提案した。「子供には刺激が強すぎる」という心配もあったが、殺処分の憂き目に遭う命を前に「かわいそう」だけでなく、「何ができるか」を考えるきっかけにしたいと、実施を決めた。

 この日は、親子11組25人が参加。このうち12人が小学生だった。職員からセンターの説明を受け、施設内を見学した。鉄筋コンクリートの白い犬舎に近づき、犬の鳴き声が漏れ聞こえると子供たちの表情がこわばった。鉄の扉の中に案内されると、左右に連なったオリが目に飛び込んできた。

 すぐ手前のオリは9号室。「明日処分する犬がこの中に入ります」。職員の説明に児童らが目を向けると、1匹の茶色い成犬が立ち上がり、オリの中をゆっくりと1周した。吠えることも、しっぽを振ることもなく、隅に再び体を横たえた。

 この日、犬舎内には50匹の犬がいた。原則1週間で殺処分され、収容日ごとにオリを分けている。犬同士の相性を考え、個室も用意してある。オリの向こうから尻尾を振って「キャン、キャン」と愛嬌を振りまく小犬もいるが、子供たちは笑顔で応えることができず、ただじっと身構えていた。

 友達と参加した水戸市立双葉台小の4年男児(10)は「たくさんの犬が処分されていると知ってショックだった。施設内はきれいだが、犬はとてもさみしそうな目をしていた」と話した。

 川島邦子センター長は「今後も積極的に公開の機会を設けたい」と話し、飼い主に対しては「最後まで責任を持って世話してほしい」と訴えた。

 親子見学会は22、23日も行われる。

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